女性に多い顎関節症、親知らずの抜歯など
歯科口腔外科の専門医が治療をします。
歯科口腔外科の範囲はさまざまですが、多くの方が経験される親知らずの抜歯、女性に多い疾患である顎関節症などがあげられます。
その他にも、歯根嚢胞(しこんのうほう)や粘液嚢胞(ねんえきのうほう)などあまり馴染みのない名前ですが、放っておくと怖い疾患も。
親知らず(親不知・おやしらず)の抜歯
親知らずは全ての人に生えるわけではなく、最初から親知らずがない人もいます。
「親知らずは抜くもの」というイメージがありますが、必ずしも抜く必要はありません。
ただ、親知らずの生え方によっては歯ブラシが届きにくく、将来的に虫歯や歯周病になってしまう可能性が高いのも事実です。
「では、抜いてしまおう!」と思うかもしれませんが、親知らずを抜かずに取っておくと、将来、歯が抜けてしまった場合、ブリッジの土台や歯の移植に使えることもあります。
自分は親知らずを抜いたほうがいいのか、抜くならいつ抜けばよいかなど、親知らずに関することは当院の医師、もしくは口腔外科専門医にご相談ください。
親知らずを抜いたほうがよい場合
- 歯並びが悪くなってしまいそうな場合
- 横向きや斜めに生えてきて、他の歯を圧迫している場合
- 中途半端な生え方で止まってしまっている場合
- 骨の中に埋まっているけれど、レントゲン写真で見た場合、歯に何らかの問題がある場合
親知らずを抜かなくてもいい場合
- まっすぐ生えていて、歯みがきの際も特に問題がない場合
- 骨の中に完全に埋まっていて、レントゲン写真で見ても特に問題がない場合
- その他、特に悪影響を及ぼすことがなさそうだと判断された場合
親知らずはいつ抜けばいい?
特に痛みがなければ、特に年齢や時期による問題はありません。
抜歯の後は休養が必要ですので、ご自身の都合に合わせて余裕をもって予定をたてましょう。
年齢的には、生えてきたら出来るだけ早く抜くほうがよいでしょう。親知らずが歯ぐきから頭を出したら、当院を受診してご相談ください。
顎関節症治療・咬み合わせ治療
あごが、「開かない」「痛い」「音がする」…は顎関節症(がくかんせつしょう)の三大症状です。
顎関節症は、10代後半から20代の女性を中心として、50代・60代の女性にも起こりやすい病気です。
治療を特にしなくても自然に治る軽症のものから、仕事はおろか日常生活さえままならない重症のものまであり、早期にきちんとした治療を行う必要があります。
当院の治療方法はレーザーによる痛みの緩和と、スプリント(ナイトガード)を使った治療が中心です。
顎関節症の治療
- スプリント(ナイトガード)とは
- 顎関節症の治療に使用するスプリントは、主にあごの筋肉の痛みと、その緊張を和らげるため、噛み合わせを安定させるために装着します。
薄い透明なプラスチック製のスプリントを上か下の歯全体にかぶせて、噛みあわせが均等になるように調整します。
顎関節症の痛みがなくても、歯ぎしり癖や歯を噛みしめる癖を矯正するために使用されることもあります。 - スプリント療法にかかる費用
- スプリント療法で行う通常の検査やスプリントそのものの費用は、保険の適用範囲となります。
おおよそ、治療にかかる費用は8000円程度です。
ただし、症状によって異なりますので、詳しくは一度ご相談ください。 - スプリントの使用時間
- スプリントは主に就寝時に使用します。2~3ヶ月、夜のみ装着していただき、その後は1ヶ月間経過観察をします。
顎関節症 簡単セルフチェック
まず、「口を無理せず大きく開いてください。
指を縦にして、口の中に何本入りますか?
■3~4本・・・正常です
■1~2本・・・顎関節症の疑いがあります。医師にご相談ください。
※あごを痛めないように注意! 無理に大きく開かないでください。
顎骨に発生する嚢胞・・・歯根嚢胞(しこんのうほう)
歯根嚢胞(しこんのうほう)とは、歯が原因であごの骨の中に嚢胞という袋のようなものができる病気で、その袋の中の液体は時が経つにつれて増え、骨を溶かしながらゆっくりと大きくなっていきます。
嚢胞が大きくなりすぎると腫れや痛みを伴うことがありますが、一般的には特に自覚症状もなく、たまたまレントゲンに写って見つかるケースが多いです。
歯根嚢胞の治療
嚢胞が小さい場合は、根管治療(根の中の死んだ神経や汚れた歯質を除去し、消毒薬を入れる)のみで治ることもありますが、根管治療で治らなかったり、嚢胞が大きい場合には嚢胞の摘出術を行います。
できるだけ歯を抜かない治療を行いたいと思っておりますので、原因の歯は抜歯しないで、嚢胞内にある根の先だけ切除する歯根端切除術が主な治療法です。どうしても難しい場合は、歯を抜くこともあります。
軟組織に発生する嚢胞・・・粘液嚢胞(ねんえきのうほう)
下唇の粘膜が、ぷくっと膨れることがあります。これは中に唾液がたまることによって出来た袋(嚢胞)で、これを粘液嚢胞(ねんえきのうほう)と言います。
唇の粘膜下には、唾液を分泌する多数の小唾液腺があります。たとえば唇を噛んでしまって小唾液腺が傷つくと、唾液が粘膜下で溜まってしまうことがあり、粘液のう胞が生じるのです。
粘液嚢胞の治療
治療は摘出を基本としますが、大切なのは、原因となっている小唾液腺を同時に除去することです。
また、大きいものでは開窓術で治療することもあります。